先生

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可笑しな先生だ。「寝に来た」と言う私を怒る訳でもなく、ただきょとんと悪気も無く微笑んだ。 外見も、年齢も30半ばがいいとこのオッサンの癖に子供みたいに無邪気な笑顔をする人だ。 そんなことを考えながら、ベッドに向かった。 「あ、でも、ちょっと待って」 「何?」 「僕さ、この春にこの学校に来たばっかだろ?だから、いろいろ話聞きたいなって」 「は?」 「少し、お話しようか。ここなら、お茶も出しますよ?」 立ち上がって棚の中からカップを取出し、また笑った。 もともと暇潰しに来たんだし、と思い先生の机の前の椅子に掛け直した。
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