問題児

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私は雛子の友人だ。多分、唯一の友人と言っても過言ではないだろう。 授業中、調度担任の鈴木先生の担当教科を受けていた。 あと10分程で授業が終わる退屈且つ眠い頃、教育指導の佐々木がデカい顔を真っ青にして鈴木先生を訪ねてきた。 二人の会話は聞こえなかったが、何やら深刻な話をしているようで、高ぶった興味が眠気を取り払った。 すると佐々木と話終えた鈴木先生も青ざめた表情で、僅かに動揺しながら教壇に立ち直した。 「今日はこれで終りだ、まだ授業中だから静かに鐘が鳴るまで待ってろよ!」 捨て台詞の様に言い残し、担任は急いで教室を飛び出した。 勿論教室はざわつき、あちこちでヒソヒソ話が交わされていた。 「あたし、先生の会話聞こえたんだけど、雛子屋上でやってたらしいよ。」 「え~!?とうとう?!」 雛子は私の友人で、やや問題児である。 今も授業中、教室に姿はなかった。
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