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「さっきから聞いてりゃいい御身分で。匿えって言われても、私どものような者がそのようなことをすると、せっかく繋がってる首が吹っ飛びかねませ…」
「いいから!匿いなさい。成功したらあんたが欲しいもの何だってあげるわ。」
「銀や鉄も?」
ひかるにとって、鉱物は命である。
「もちろんよ。だって私は…」
外から何者かの足音が近づいてきた。
「は、はやく!どうにかしなさいよ!」
ひかるの家の中は一部屋しかなく、中に台所があり家具といっても本棚と箪笥にベッドと作業机があるくらいで隠れる場所なんてなかった。
どうしようかと慌てる不審者を前に、とうとうドアが開かれた。
「ひかるぅー自転車できた?」
足音の主は愛流だった。
「できたよ。砂塗れのから着替えてきたんだね。」
今度はヒラヒラが沢山ついたピンクのワンピースを着て来た。
「へへっ、可愛いで…あぁー!」
「何だよ。大きな声だして。」
「上之宮様だ!」
愛流は不審者を指差し何かを発見した喜びからか上擦った声を出している。
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