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中指の切り傷を気にしつつ、やっと料理を完成させた。カレーにポテトサラダと極めて簡単なモノだが、我ながら会心の出来栄えだ。
「いっただきま~す!……おかわり!!」
「早っ!?」
俺はまだ1口しか食べてないぞ。どういう体の仕組みだ。て言うかちゃんと味わえ。
俺は黙々と、恭は味を絶賛しながら食べ続け、片付けが終わった時には日は暮れていた。
「今日はありがとな!! お前、シェフになったが絶対良いって!!」
「無い無い。じゃあな。また今度」
「また食わしてくれな!! んじゃまた!!」
親友を見送り、さて……何しよう。春期休業課題は億劫だし、何か熱中する趣味がある訳でもなし。テレビもこの時間帯は面白くない。なんならTATSUYAで暇を潰してもいいが……。
結局、ゴロゴロする事にした。携帯電話をいじったり、漫画を読んだり、ラジバンダリ。
「…………」
漫画とか読んでいて、時々笑みが零れる事がある。
周りに人がいるもんだからそれを堪えようとして、クックックッ……とかどっかの黄色ぐるぐるメガネガエル、若しくは某アニメ・ちびなんたらちゃんの陰険少女よろしくな笑いになり、そんで恥かく。これあるある。
――ピンポーン?
「……ん?」
神様は俺の怠惰な生活態度を見限ったのだろうか。まさかの客人がやって来た。
チャイムの音は気にすんな。
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