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着地と同時に物凄い衝撃が全身に駆け巡る。足に激痛が走り、その場で数秒悶えた。
2階から飛び降りるもんじゃねぇなあ……。
「いってぇ……!!」
隣が芝生の駐車場で助かった。コンクリートだったら足折れてたな。
しかしこれで一先ず難は凌げた。今夜は恭の家に泊めて貰おう。事情は俺にも分からんが、危ないという事だけは分かる。取り敢えず身を潜めなければ。
しかし、俺の考えは甘かった。
「……なっ!?」
道を塞ぐ様に、巷に言うリムジンとやらが左右に何台も並んでいた。街灯の光が車体に怪しく反射する。
「何……だよこれ?」
車の中から次々に出てくる先程見た3人と同じ格好のヤクザ(らしき人)達。そのままこちらへ歩いて来る。やはり狙いは俺か。
逃げる事も出来ず、とうとう囲まれてしまった。
「……市東峻様ですね? ご同行願います」
「俺を捕まえて……どうするんだ」
「…………」
対峙するヤクザ1人を、やなこったと言わんばかりに睨み付けるが相手は無言。そして指をパチンとならす。
「なっ!? は、離せモガ……ッ!!」
迂闊だった。いつの間にか後ろに回り込まれていたらしく、数人から羽交い締めにされ、車の中に放り込まれた。
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