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「面白そうじゃない!私メイドになる!見てなさい!貴方を超える日もそう遠い日じゃないということを!」
高々とメイド宣言を果たす胡桃澤お嬢様。はてさていつまで続くのやらと。
――――――――
「君達が今日から私の召し使いか……ふふ…見覚えのある人がいらっしゃるようだけど、それは置いといてよろしく」
「……………………」
「………………お嬢様も通うカエサル学園の生徒会長…名香野丞 心姫様と言ったら分かりやすいでしょうか?」
「……誰に言ってんの……?」
――――――――
「一度決めた事は絶対曲げない!それが胡桃澤道よ!」
「アサッテの方を向いたまま言わないで下さい。説得力ガタ落ちです」
「でもこれは一ヶ月の臨時バイト!頑張って認められて人間力うなぎ登りアップ!!」
「認められたら正式に雇うみたいなことが書いてあったようななかったような……」
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「どうして君はそう失敗ばかりするんだ!!」
「す………すみません」
「だから私は箱入り娘というやつは好きじゃないんだ!!」
「…………はい」
「(……お嬢様……)」
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「あの……言いにくい事だが……私の許婚になってはくれないか?」
「いいな漬けですか?嫌です」
「ホッ…………」
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「決闘です!心姫様を困惑させる不埒な輩はこのメイドのリューン・ベルチェが赦しません!剣を抜きなさい!」
「剣と言われましても……この剣は夜にしか使えないんですが……」
「あなた平気で下ネタ使うのね……違う意味で尊敬するわ」
――――――――
「胡桃澤お嬢様に怪我でもさせてみろ。生きたままコンクリートで固めて東京湾に沈めるからな」
「リアル過ぎるわっ!!」
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「そんなに無茶しないで。苦しみも悲しみも孤独も全部あげるから……」
「違う……違うんです……そんなんじゃ……そんなんじゃ駄目なんです……お嬢様には……知られたくなかった……生きる辛さがどういうものかなんて…………」
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最期に永遠の幸せを。
最期に永遠の安らぎを。
最期に永遠の理を。
彼に与えて下さい。
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