0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、今朝のニュース見た?」
「見た見たっ。月から何か落ちてきたんだよね?」
京都市の中心部にあるハイスクール。
生徒たちは月の落し物と称されたそのニュースの話題で持ち切りだった。
「おはようございますっ」
教室の扉が元気良く開かれる。
そこにはまだまだ顔に幼さが残る少女が立っていた。
「ひかるちゃんおはよう」
教室でうわさ話をしていた女子グループがひかるに近づく。
「また何か作ってたの? 顔が汚れてるよ」
「ほんとだ、ありがとう」
礼をいいながら差し出されたハンカチを受け取る。
「もう、男の子みたいなんだから」
「ごめんね、掃除機君が調子悪かったみたいだったから」
ひかると呼ばれた少女はハンカチを返し、自分の席に着く。
最初のコメントを投稿しよう!