出会い

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「そういえば、今朝のニュース見た?」 そういって月の落し物についての話をはじめる。 「だから今日の電車には新聞を持った人がたくさんいたのか」 一人で納得するように、うんうんとうなづく。 「そういえばひかるちゃんって電車通学なんだね」 「そう、このご時世に電車通学なのですよ」 「私にしてみれば、月の落し物よりもあんな旧世代の物を使っていることのほうが驚きよ」 「しかたないよー。田舎なんだもん」 彼女、曽根川ひかるは京都市とは名ばかりのド田舎に一人で暮らしている。 そのため、今では目にすることも少なくなった電車という移動手段で都市部なら10分たらずの距離を1時間かけて通学している。
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