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ひかるが買い物を終え、帰路につくころにはもう空は暗くなり、月がひかるを見下ろしていた。
ふと、公園のまえで足を止める。
「……ブランコ?」
ブランコが揺れているような音がする。
こんな時間に公園で遊んでいる子供はいないはずである。
高校生のカップルでもいるのだろうか。
そう考えたが、なぜか気になったので公園の中に入っていく。
「……子供?」
そこには大人とも子供とも言い切れない不思議な雰囲気を纏った少女がいた。
透き通るような白い肌はまるで太陽の光を浴びたことがないかのようであり、その月を見つめる瞳は黒く、夜を思わせた。
「だれ?」
ひかるに気付いた少女が些かのおびえを含んだ視線を送る。
「私は曽根川ひかる、あなたは?」
「愛流は愛流だよ」
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