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愛流と名乗った彼女はブランコから飛びおり、そして地面にへたり込んだ。
「え? どうしたの、大丈夫?」
「昨日から何も食べてないんだよ。だめもとでお願いすると、何か食べ物がほしいんだよ」
愛流は地面に両手をついたまま、ひかるを見上げる。
その仕草は同性であるひかるですら見蕩れてしまうものであった。
「ごめんね、いまは……あっ」
ポケットからさっきおばさんからもらったあめを取り出す。
「とりあえず、これあげる」
「ありがとう、愛流はあめが大好きだんだよ」
「行くところがないなら、うちに来る? 部屋なら空いてるよ」
「本当にいいなら好意に甘えさせてもらいたいんだよ」
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