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「すみません。勝手につまらない話をしてしまって」
「いや、面白かった」
彼の話は私を惹きつける。何故だろう…
実はその時私は分かっていたのかもしれない。
「私は週末に良くここにいる。またお前の話を聞きたい」
それから私はテーブルに2人分のコーヒー代を置き席を立った。
彼も私と同じように何か心の奥底に闇を抱えているはずだ。
話をしていた時の彼の瞳はそれを物語っていたのだから。
闇を抱えているだけではなく、もとから逸脱した心を持っている人種なのかもしれないな…
私はそんな事を考えながら帰り道を歩いていると、ふとあることに気が付いた。
「名前を聞いていなかった…」
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