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「どうでしたか?」
「面白かった」
彼の話は簡単だった。
寝ている時と死んだとき、何が違うのかという事だった。
考えれば身近にあることにだが、実際は気が付かない。
まるで陽向のすぐ側には日陰があるようだ。
「遥さんは私と同じ種類の人間なのかもしれませんね」
彼は突然そんな事を言い始めた。
彼がどんな人間であろうと私と同じ種類の人間、という事は有り得ない。
私は逸脱した心をもつ社会に決して馴染めない不適合人種だ。
…しかし彼を見ているとふと思う。
彼…悠もまた私と同じなのかもしれない…
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