132人が本棚に入れています
本棚に追加
有り得ないという事が、ただの固定観念なのだと…
私は悠の目を見た。
彼は今の言葉をはぐらかすように笑顔を見せた。
また翌週彼は喫茶店に現れた。
「今日は何の話をしてくれるんだ」
その日の話は天国についてだった。
天国や地獄は何故生まれたのか…死を恐れ、逃げ道としてすがりつくために作られた虚像か…
または本当に存在し、輪廻転生した時の記憶が遺伝子に組み込まれているのでは…と言うことだった。
死んだ後なんか誰も知らない…
それだけならまだしも、死なんか睡眠と変わらないと話を先週したばかりだ。
結局他人の死から分かる事は無い。
分かる時は自分が死んだ時だけだ。
最初のコメントを投稿しよう!