No.02 真贋

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  また翌週私はいつもの喫茶店に向かった。 客は多めだったが一番奥の席は都合良く空いていた。 私は席に着きコーヒーを注文した。 「コーヒー1つ。ホットを」 かしこまりました、とウェイトレスが言い終える前に悠の声が割って入って来た。 「それ2つでお願いします」 悠は改めてコーヒーを注文すると、遥の向かい側に座った。 今日悠はどんな話をしてくれるのだろうか。 悠は期待する私の心を読み取ったかのように話始めた。 「やあ、人を殺すのに何が必要だと思う?」 彼は挨拶を本当に軽くするとそう切り出した。  
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