No.02 真贋

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  「いきなりだな」 私は彼の切り出しが可笑しく思わず笑ってしまった。 「君に早く話がしたくてね」 「ありがとう そうだな… バレないような環境か?」 私は私が人を殺すとしたら、どんな状況ならば殺すだろうと考えて、そう答えた。 「良い答えだけど違うよ」 「なんだ漫画みたいに決意とか覚悟とか言うのか?」 遥は悪戯な笑みを浮かべる。 「もちろんそんなものではないし、ましてや勇気などではない。 本当に必要なものは【衝動】と【きっかけ】さ」 人を殺すのに覚悟を持って殺人を犯す人間が何人いるだろうか…  
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