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「すみません。
ここ、いいですか?」
「ああ」
私は突然掛けられた声にそう応えたが、店内には所々に空いている席はあった。
「私はいつもこの時間にここの席に座って、仕事の事をまとめるんですよ」
「………」
彼は私に返答を求めたのだろうが、私は無視して話半分に聞いていた。
「あなたは大学生ですか、そこの?」
「(…ナンパか…)……」
私は相手の事など全く見向きもせずにいた。
「そうゆう本が好きなんですか」
私はその時始めて相手の言葉に自ら耳を傾けた。
そして始めて読んでいた本から目を離し、向かい側に座っている相手に目を向けた。
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