No.01 2人

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  「すみません。 ここ、いいですか?」 「ああ」 私は突然掛けられた声にそう応えたが、店内には所々に空いている席はあった。 「私はいつもこの時間にここの席に座って、仕事の事をまとめるんですよ」 「………」 彼は私に返答を求めたのだろうが、私は無視して話半分に聞いていた。 「あなたは大学生ですか、そこの?」 「(…ナンパか…)……」 私は相手の事など全く見向きもせずにいた。 「そうゆう本が好きなんですか」 私はその時始めて相手の言葉に自ら耳を傾けた。 そして始めて読んでいた本から目を離し、向かい側に座っている相手に目を向けた。  
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