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そこにいた男性は赤毛で眼鏡を掛けていた。
第一印象はただの優男だった。
私がその時読んでいた本は『死の魅力』というタイトルで、死の魅力に取り憑かれた男性を描いたミステリー小説だった。
「それは確か死の魅力がテーマでしたね」
「ああ」私は再び無愛想に応えた。
「あなたは人が殺される事に魅力を感じますか?」
彼は突然そんな事を聞いてきた。
彼にはまるで私の心の闇が見えているのではないのかと恐ろしさを抱いた。
「人を実際に銃殺するシーンをテレビで放送する事は許されない事です」
私はいつの間にか本を閉じ彼の話に聞き入ってしまっていた。
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