No.01 2人

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  「しかし箱ではなく飛行機ならば、車ならば、『衝撃的映像』『決定的瞬間』などと題打たれた番組などを通し、私達に伝えられているのです。 事故だとしても人が死ぬ、しかし人々は楽しさを感じる。 始めの銃殺と何が違うのだろうか? 結局は銃殺を否定した人間も『他者の死』を見て喜びを感じているに過ぎないのですよ。 「危ない」「恐い」「ハラハラする」 必ず楽しみながら番組を見ているハズです。 そしてその時、当然のように、『許されない事』などとは考えていないのです。 人は賢い動物だからこそ愚かにも闇に魅せられてしまうのですよ」 私は彼の話をただ聞いていた。 彼は何をもって私にこの話をしたのだろうか…  
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