1章

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麻人は、とても愛しそうな目で夜空に輝く月を見つめていた。 「まぁ、こんなもんだな。」 麻人は苦笑しながら言った。 「千紗さんに、逢ってみたかったなぁ・・・」 「逢ってるよ。」 麻人は、ぼそっと言った。 「へ?」 「いや?何でも。」 そう言うと、麻人はポケットから紙を出し、ペンで何かを書き始めた。 「はい。」 「え?」 「俺のアド。 何かあったらメールして。」 「はい。」 そう言うと、彼は、公園から姿を消した。 「変な人だなぁ・・・」 私が独り言を呟くと、風が吹き、まるで 「そうでしょう?」 と言っているかの様だった。
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