1章

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「ありがとう・・・」 千代さんが、あまりにも嬉しそうに笑うから、 私は、複雑な心境だった。 私は、22歳の大学生。 もう一人暮らしをしても、大丈夫な年だと思う。 「私、ちょっと出掛けてくるね?」 「はい。寒いから気を付けてね?」 「うん。大丈夫。」 ドアを開けると、12月の雪がパラパラと降っていた。 呼吸をする度、白い息が、まるで煙のように出ていく。 満月は綺麗に輝いているのに・・・ 私は、きっと曇っているんだろうな・・・
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