第二章 発端

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大体の部屋の作りでは、入口の両壁のどちらかにスイッチはついているものだと思う。 『うん、僕も思った。そっち側にも扉が有るんじゃないかな?』 壁沿いには簡単な作りの棚があるが中には何も入ってはいない。 『庵、この棚を移動するから手伝ってくれる?』 『ん?あぁ判った!』 庵はまだ椅子を調べていた様だ。 両側で棚を持ち、ゆっくりと移動させる。 すると棚の後ろから、同じ様なドアが現れた。 『この宝探しゲーム、中々凝ってるよな!扉隠すとかさ。』 『うん、多分さっきの我此処に眠らんっていうのはこれの事だよ。』 扉には鍵が掛かっている様だ。持っている鍵を使ってみたが開かず此処で行き詰まる。 『どうする?』 僕が皆に問い掛けると、広瀬さんが呟いた。『時間…』 腕時計を見てみると、昼休憩が近かった。 『後でまた調べよう、レストランに行かないと…、一応元に戻しておこうか。』 そう言い、棚を元に戻している時に気付く。 『棚の裏に紙が貼ってある!』 紙を外し読んでみると 《我未だ目醒めぬ皆が集い生を得る場所に汝が求める答え在り》 『午後から皆で調べよう。』 僕達は部屋を出て鍵を締めレストランへ向かった。
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