芽生える。

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「美帆さんはなにかの事件に巻き込まれた。そして、その事で心に深い傷をおってしまったようですね。  おそらく、その事を相談しに行ったんだと思います。  そして、午後からもまた取引先の会社に行っていますね。多忙というかなんというか。  しかし、この会社で弘明さんの様子が少しおかしくなります」 「どう言う事ですか?」 「この会社で仕事を終えたのが午後六時ごろだそうです。そして、仕事が終わると慌てた様な様子で外に出て行ったという事です。  いったい何があったんでしょうね? 私もこの会社の社員に聞き込みをしてみたんですよ。  どうも、弘明さんが気にしていたのは工藤信彦という人間の噂話だったらしいんです」 「…工藤…?」 「知っていますか? 工藤信彦は何かの事件に巻き込まれたであろう美帆さんの友人、工藤遥の父親です」 頭を横から殴られた様な衝撃が走った。
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