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次の日、学校に行く途中に後ろから声を掛けられた。
ユウコとは一緒に登校はしていない。朝早くにユウコは先に家を出ている。
ユウコが家を出ると、母から「さっさとあんたも出なさいよ。本当に愚図だね」と言われたがまったくもってその通りなので反論の余地がない。
「おはよう」
友人の遥が私の腰辺りを軽く叩いて挨拶をしてくる。
「っ…」
叩かれた場所がちょうど昨日、ユウコが痣にした場所だったので軽く痛みが走る。
「…ナナミ?」
遥が怪訝そうに私の顔を覗きこんだ。
「…また、何かされたの?」
遥の表情が硬く厳しいものになる。
「何もないよ。ほら、急がないと遅刻する」
私がそう言って、走り出すと、遥は怪訝な表情のまま、おさげ髪を揺らしながら後をついてきた。
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