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「どうしたの?」
春人が私に話しかけてきて振り返る。
「ん? いや、さっきそこに…」
橋の上を指さして、そこにもうユウコの姿がない事に気が付いた。
「誰かいた?」
「…ううん。気のせいかな?」
子犬が私の腕にすり寄ってくる。ふわふわとした毛が少し気持ちいい。
「あ、もうそろそろ帰らないと」
お母さんに買い物を頼まれているのだ、あまり遅くなるとまた怒られてしまう。
慌てて立ちあがると、春人も立ちあがった。
「じゃあ、また。今度」
私がそう言うと
「また、今度」
春人もそう言った。
私は、土手を駆け上がると家路を急いだ。
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