序章

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部屋の隅に抱き合いながら小さくうずくまる姉弟。 その目の前には大きく声を荒げながら母親に手をあげる父親がいた。 次は自分達の番ではないかとビクビク怯えながらより一層力を強くいれて体をくっつける。 「お母さんが家出ていくって行ったら、一緒に出ようね」 父に聞こえないようにあるかないかの声で弟に話しかける姉。 弟は今にも泣き出しそうな小さな声で 「うん」 とだけ言った。
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