76人が本棚に入れています
本棚に追加
家中をボロボロの体で歩き回る。
そこには父の姿は見当たらなかった。
安心した彼女は弟の姿を必死に探す。
自分が寝ていた子供部屋から見える居間から、誰かの足が見えた。
少し足早に居間に向かう。
予想通りそこにはうつぶせで床に横たわる弟の姿があった。
「大丈夫?」
彼女は揺するようにして弟を起こす。
痛々しい表情を浮かべながら彼は起き上がる。
「親父は?」
弟は右手で頭をさすりながら低い声で姉に尋ねる。
少女はただゆっくり首を横に振る。
「今日実行だな」
弟は殺気に満ちた目をしていた。
「おふくろの敵、絶対にとる」
最初のコメントを投稿しよう!