ギフト

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再び沈黙が流れたことを不思議に思ったであろう彼がまたもやその沈黙を破ってくれる。 「…ほんま…何かあったんじゃろ?」 その優しい彼の一言がわかっていたことであっても交際していた頃より会えない寂しさと不安を我慢して封じ込めていた心を壊す。 そうなってしまえば止まることを知らずに崩れていくだけで、情けないんだけれど自分の今、思っている浮気疑惑のこととか我が儘なんだけれどやっぱり寂しいんだとかとにかく思いつく全てのことを私はマシンガンの如く彼にぶつけて吐き出してしまう。 それでも彼は怒鳴りもせずにゆっくりと耳を傾けてくれていて私は自然と不安から解放されていくのがわかる。 更に私が落ち着いてくると彼は決まってこう言うんだからかなわないといつも思う。 「…大丈夫?もっと何かないん?」 「ずるい」って。 そう思うのに安心してる自分がいるのは事実。 きっといつもならここで「大丈夫」って言ったら律儀な彼は電話越しでも謝って私も素直に我が儘を言ったことを謝って少し雑談をして終わるけれど今日は違う。 まだ一番大事なことに触れていないから…
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