衝撃の事実。

1/6
前へ
/171ページ
次へ

衝撃の事実。

私は小学校低学年までは、一度風邪を引くとなかなか治らず、 またよく体調を崩していた覚えがある。 当時から朝ご飯を食べられない体質だった私は、 今も、起き抜けに物を食べさそうなんておかしいと思っている。 小学校二年の終わり頃である。 やはり衝撃的だったのか記憶が鮮明だ。 当時近所の公文式に通っていた私は 小学校から帰ればまず宿題をして、公文式へ国語と算数を習いに行くという 現在では信じられないほど真面目な子供であった。 その公文式からアパートに帰った私に一番に走り寄ってきたのは幼稚園児の弟だった。 私のいっていた普通の幼稚園とは違い、ちょっと遠くの、お勉強なんかもする幼稚園に行っていた弟は、開口一番こう言った。 『りこちゃん!引っ越すんやって!』 弟は私をちゃんづけで呼ぶ。 小学校二年、大阪でずっと暮らしていて親戚もみんな大阪にいる私は嬉しそうに言う弟に向かって、『また嘘ゆって、騙されへんで』とか言った。 全く信じていなかった。 しかし弟が本当だと言い張るので母に確認をとりにいく。 『なんか引っ越すとかゆうてるで。ほんまに?』 『うん』 あっさりと肯定した母。 驚く私に向かってどうだとばかりに何かを言ってくる弟。 かくして私たち家族は北海道へと移住することとなった。
/171ページ

最初のコメントを投稿しよう!

102人が本棚に入れています
本棚に追加