5・闘志

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-Doragon・side- 「冬摩、聞いてるのか?」 あれから夜が明け。いつも通りの所長の手伝いをしているが、頭だけは無意識にあのことだけを反芻している。 ライダーバトル、それに…人間を餌にするモンスター。 「おい、冬摩」 願いのために戦う、相手が死ぬかもしれないのに。 そこまでして叶えたい欲望を、俺は持ったことがなかった。 「………」 だから、俺には彼女たちの気持ちは分からない。そんな俺にライダーとなり続ける必要はあるのだろうか。 このデッキさえ、このデッキさえ手放せば、俺は……… ドガガガガガガガガガガ!!!! 「おわわわわわわわわわわわわわ!?!?!?」 突如響く炸裂音に目をやると、AK-69なぞを持っている所長が… 「…さて、仕事ほっぽりだしてまでの考えごとはなんだったのかな? 良かったら聞かせてはくれんか、え?」 ガチャリとこめかみに向く黒いポチ穴。 ホールドアップか、そうなのか? 「や、すいません。なんでもないです」 「………ふん」 ガチャリ と銃を下ろす所長、空砲なのは間違いないだろうが実弾でも違和感がないのが怖い。 「…そういえば、桐山さんのことなんですが」 「何か分かったのか?」 「それが…なにも」 あそこにカードデッキが落ちていたということは、ライダーだったのだろうか。 「ま、分かっていることがあるとすれば一つだな」 ふと、所長が口を開く。 「所長、それは…?」 「簡単な話だ。桐山はいなくなった、それだけは確かだろう?」 そう言い所長は椅子に座り… 「分かっただろう冬摩。 人がいなくなる、ということはこういうことなんだよ」 そう言う目には、なにか意思が籠ったものが…
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