5・闘志

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「…ライダー、ね」 確かにバイク乗りですけど、などとくだらないジョークかましてる場合でもないらしい。 メットを外し、溜め息交じりに応える。 「…確かにその言葉に聞き覚えはあるし、昨日の黒マスクはオレですよ。 でもそれがアンタと何の関係がある?」 「決まってるでしょう… 私もあそこにいたのよ」 「……は?」 そう言い、彼女がコートのポケットから取り出したのは… 「…………」 白銀の紋章が刻まれたカードデッキ。 朧気な記憶が蘇り、咄嗟に口が開く。 「そうか、アンタが…ゲイか」 「そうよ私が………は?」 瞬間、佇む沈黙。 「…だから、ゲイなんだろ? ヒトから聞いた話だけど…」 ………グィ 「……ん?」 突然の首ロック、何があったかと戸惑う間もなく…… 「誰・が・ゲイよ誰がぁ~!!」 怒りのヘッドロックが襲いかかった。 「ギャース!!ストップ!! だって聞いたんですよ、いやマジで! ゲイだから関わるなって!」 「ガイよガ・イ!! 変な間違いすんじゃないわよ!!」 「よし、分かった。まずは離して、離してくださいお願いします!!」 命乞いの甲斐あってか、なんとか離してもらう。 「あのね、こっちは遊んでる暇なんか無いの。次ふざけたら殺すわよ」 ふざけてなどいない、と言いかけて…ソイツに視線を置く。 「――ッ、あのなぁ…」 始めて眼を合わせ――、 「………」 ――うぉう、すげぇ美人。 ちょっと朱めの髪がよく似合う、どちらかと言えば可愛い系――って阿呆かオレは!! 「……何よ? 人の顔ジロジロ見て…」 「…悪い、何話すか忘れた」 「……はぁ?」 「オレから話すことは無いってことだ。良いから話を戻そう」 ――まぁ、嘘ですけどね。 正直めんどくさいからさっさと終わらせたいだけです。 「…で、えーとだ…オレはどうすれば良いんだ?」 「決まってるでしょ、戦うのよ」 「…喧嘩か?」 「バカ、そんなわけ無いでしょ。ライダーの闘いよ」 「…やだよ、めんどくさい」 「……………」 ……ガチィ 「…ん?」 「アホかあんたは!」 ビキィ 「ギャーまたコレか!」 首ロック再び。 危うし耶俥、死は目前か―― ―キィイイイイイン― 「「―――!!!!!」」
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