5・闘志

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響き渡る反響音、 それに反応した彼女は咄嗟に手を放す。 「――ッ、まさか…モンスター!?」 「ゲフゥ…モ、モンスターはお前じゃねーか」 「うるっさい!いいからさっさと来なさい!此所の誰かが襲われてもいいっていうの!?」 「むがーッ、とりあえず説明をしろっての!!」 走り出す女。それにつられてコチラも駆け出す。 ほどなくして、 「いた!アイツよ!」 前方に立ちすくむ機械体。 無骨な鎧を纏ったソイツは、地面に倒れ込む人影に迫る。 ぐったりと地面に倒れ込むその人影を視界に捉えた瞬間…… 「――ッ、先輩!!」 『――――!!!』 獲物に牙をむく怪物 数瞬もあれば、彼女の躯は虚像と消える。 横の女が焦ったように叱咤の声を上げる。 「くっ…間に合わな――!!」 だが、その声はオレの耳には届かず…… 「――ッ先…輩に…」 『―――!』 「――何さらすんじゃこのダァホがぁ!!!」 ――ゴガンッ! 『―――!?!?』 炸裂する鉄拳。 明らかな奇襲に予想外なほど吹っ飛ぶ機械体。 「オラかかって来いや!! このド変態がぁ!!」 『―――!!』 自分でも分からんくらいの荒々しい怒声。 その威嚇に怯んだのか、その怪物は近くの鏡面へ飛び込むように消えていった。 「大丈夫ですか!」 その女は、そのまま倒れ込む先輩へ駆け寄る。 「……ん、う~ん………あ、あれ?」 「怪我はありませんか?」 「…え、えーと……何かあったんですか?」 「…………」 ――さすが先輩! 当事者のくせに何一つ分かってねぇ! 「…と、とにかく、此所は危険ですから早く離れてください」 「危険って…何がですか?」 「い・い・か・ら・早く!」 「は、はぃ~!」 その声に、先輩は小悪党みたいな駆け足で逃げ去っていった。 「…さて、私達も――って、アンタ何うずくまってんのよ?」 「……いや、別に」 ――拳が…全力で金属体ぶん殴った結果がコレかよ……マジ痛いんですけど? 「…ていうか、追っ払ったんだからもういいんじゃないのか?」 「アイツらは一旦人間を襲うとしつこく同じヤツを狙い続けるのよ。此所で仕留めた方が早いわ。 アンタはそこで見てなさい」 彼女がカードデッキを突き出す。 その瞬間―― 「変身!」 ……彼女の躯は、一瞬の光とともに虚像に包まれた。
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