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光が収まった時、そこには武骨な鋼を纏った鎧の姿があった。
一方の肩が異様に伸びた角、さらに一角獣を思わせる巨大な独角が見るものを竦ませる。
これが彼女の力、
仮面ライダーガイ。
「さぁて、さっさと片付けましょうか」
拳を鳴らし、勇みながら彼女は鏡の中へと消えていった。
そんなわけで、
「…で、オレは放置プレイってわけか」
まぁ、あの怪物はそれほど強そうにも感じなかったし、あの人だけに任せても……
「――ッ!」
瞬間、何やら鏡越しからコチラに向かう電波らしきものを受信。とうとうオレは謎の電波キャラになってしまった模様。
「まぁ、血迷ってんのは前からだよなぁ…」
そう呟き懐のソレに……
妖しい輝きを秘めた漆黒のカードデッキに手を伸ばした。
…… 鏡の中、ミラーワールド。
先程、妖魅衣織を襲ったモンスター・デッドリマーは鏡の向こうから現れた追跡者と対峙する。
『―――!!!』
「やっとその気になったようね!」
瞬間、その猿を模した怪物は跳躍。
妖しく光る“三つ”の眼をギラつかせながら飛び掛かる。
「ふん!」
ゴガン
鈍い音を立て、機械体が殴り飛ばされる。
「まだまだぁ!」
ズン、とみぞおちに叩き込まれたブロゥがデッドリマーを宙に舞わせる。
武器にも頼らずただ腕力のみを行使したソレは、まさに純粋な暴力と呼ぶにふさわしい。
追い討ちを掛けようとしたガイは、
「―――ッ!」
デッドリマーが尾を伸ばしたその一瞬、身を固める。
『――!!!!』
バチリ と火線が飛ぶ。
怪物の尾は、次の瞬間 銃火と化しガイの鎧に弾丸を叩き込んだ。
だが、
「――ッ、いっ…たぁ、いきなり何すんのよ!!」
奇襲をまともに受けておきながら悪態を飛ばす彼女は、理不尽なほど無傷であった。
「こん――のぉ!!」
叩き込まれるショルダータックル。
およそ数トンの衝撃がデッドリマーを襲う。
そのままガイは追撃を仕掛けようと距離を詰める。
だが――
『―――!!!!』
後ろから響く雄叫び。
振り向けば、まったく同一な怪物がさらにもう一体。
「なッ…!!」
明らかな奇襲。
気付いた瞬間には既に遅く、その怪物は――
「……お~っと、バスが急ブレーキ………って、オラァ!!!」
『―――!?!?』
横から現れた漆黒の鎧に殴り飛ばされた。
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