5・闘志

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地鳴りは二度、 内一方は正面より、そして上空に一体。 ――単調すぎる。 「阿呆がッ!!」 上段に構えた太刀を叩き下ろす、ガキンと火花が散り怪物が悶える。 「危なッ!」 ――直後地面に突き刺さる火線から逃れる。 「――さぁて、次のお題は……っと」 デッキからカードを抜く。 人型の絵柄が描かれたソレをバイザーに通す。 『-Advent-』 ――ゴゴゴゴゴ、 「――んなっ、何か来やがった!?」 後方から疾走する黒い影、ジェイソンじみたマスクから伸びたコードが仰々しい、どこかコオロギを思わせる漆黒の機械兵。 『―――!!!!』 頭部が爆ぜる。 敵意らしき意図で放たれたソレは、明らかにオレを避けて猿二匹にぶち当たる。 『―――!!』 『―――!!』 ドゥ、と爆撃が響く。 威嚇にしてもやり過ぎである。 迫ったソイツが敵でないと確信した瞬間、頭の中に閃くプラン。 「サイコローグ、肩!!」 言うが早いが跳躍、不意に出た名前を叫びながら漆黒の怪物の肩を踏み台にする。 『―――!!』 『―――!!』 それはまさしく、一瞬の急降下。 「喰らいやがれぇぇ!!」 ――ズバン、太刀音が火花を散らし響き渡る。 上空からの稲妻のような一閃が、一匹の全身を捉える。 『―――!?!?』 悶絶するデッドリマー、ソレに追い討ちをかけるように… 『―――!!!』 サイコローグが放つ幾重もの弾丸。 相棒にしては空気読めすぎである。 『――――!?!?!?』 ズン と響く爆音が大地を揺らす。 断末魔ごと響き渡った死の花火は、残された片一方に恐怖の片鱗を刻み付けた。 『―――!!!』 逃げるとなると、獣というのは早い。 気がつけば、逃したソイツとの距離はおよそ数百メートル。 ――あ、もう1キロ行ったな。 「――悪いが、そこまでお人好しじゃねーよ!!」 剣を投げ捨て地面を蹴り、疾走。 走りながら、デッキからカードを抜く。 『-Final Vent-』 機械音声が鳴り、カードが青い炎に包まれる。 直後―― 『――――!!!!!』 背後から不吉極まる咆哮。 振り返るとそこには…… 「――ッ、なッ、こ……これは………!?!?」
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