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突然 鳴り出した反響音の方向に、西園寺は視線を走らせる。
「これは…ッ!!」
敵を終始 威嚇していたメタルゲラスが黒い影に組み伏せている。
ソレが相手の契約モンスター、サイコローグであると気付いた直後――
「――ッ、しまった!」
既に視界から消え失せている相手の存在に気付いた。
「――いいわ、こうなったらとことんまで追い詰めてやろうじゃない!」
響き渡る足音をたどるように、西園寺は激情のまま暗い道を駆け出した。
「――まったく、お転婆が過ぎる姫様だこと。
いや、それもそれで可愛げが…」
緊張感に欠けた独り言を呟きながらひたすら駆ける。
正直、決闘の真似事なんざ知ったことではない。
一人でやってろといった感じである。
駆け出しているうちに、非常口のような扉が見えた。
あそこまで辿り着ければ…
「…あー、不味いな。この展開、なんかフラグっぽい」
―キィイイイイイン―
「それみたことか!」
壁が歪み、中から咆哮とともに白銀の怪物が飛び出す。
『―――!!』
その怪物、メタルゲラスはそのまま一直線に獲物へと突進するも…
「…残念、甘いよ」
『―――!?』
次の瞬間、その獲物は虚像から放たれた光に全身を包まれ、やがてひとつの像へと成った。
「さて、オレのターンだ」
タン、と軽い音。
舞い上がる黒い影は直後、敵に飛びかかる。
「はいッ、ダァーンク!!」
相手の頭部を鷲掴みにし、そのままその鎧は敵ごと鏡の中に飛び込んでいった。
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