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――ミラーワールド、あらゆるものが反転した世界。
そこにある大学の一部の壁が……
「おらぁッ!!」
『――!!』
組み合った二者の突進によりあっさり砕かれた。
そのまま黒い影、オルタナティブ・ゼロはメタルゲラスをふりほどき後ずさる。
――相変わらず人間離れした力だ。いや、変身した時点でもはやオレは人間ではないかも…。
とにかく、出てしまえばこの体に用はない。
どこかからさっさと脱出―――させてくれないよなぁ、やっぱり。
「………」
眼前には敷地内の広場。
その広場から迫る感じで銀色の鎧が立っている。このタイミングであそこにいるってことは…初めからオレの行動は読まれてたらしい。
『Strike vent』
西園寺もといガイの左腕に犀の頭を模した武器、メタルホーンが装着される。
「――はぁあああああああ!!!!」
直後、その重甲はその外見からとは思えぬ速度でこちらに迫る。
思わず後ずさった直後、コンクリ仕様の壁にぶつかる。
「――まずっ!!」
少しばかり焦った瞬間、
「――やぁ!!」
ゴン と鈍い音を放った一撃を、反射といって言いほど無意識に身をかがめて避ける。
即座に身を転がし体勢を立て直したとき、オレが見たのは彼女の左腕の犀の角がコンクリートに巨大な穴を空けた光景だった。
「――うん、ヤバい」
あとコンマ数秒遅ければ、オレの体にもトンネルが開通していたかもしれない。
『Sword vent』
逆ノコみたいな剣、スラッシュダガーを構える。
おそらくパワーでは圧倒的に向こうに理がある。
受け に徹するのは自滅策と判断、ここはひとつ死なない程度に殺す覚悟で挑むしかない。
「…西園寺、ひとつ聞くぞ」
「なによ?」
「ここに来たのは……本当にオレを潰すためだけか?」
「いえ、違うわ。高見からの情報でね…今ここに“私の知らない”ライダーがいる、だそうよ」
「こんなショボい場所にか?」
「そーよ。あんたじゃないのは確かだし、今もここにいるかもしれないけど…今はあんたが私の相手。
分かってるわね?あんたがどう思おうと、戦わなきゃ…死ぬわよ」
仮面で顔は見えないが、彼女の覚悟は声だけでも充分伝わってくる。
「分かった…せいぜい死なないように努力するさ」
まぁ、その覚悟も今の自分には関係ないものだがな。
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