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凪嶋 涼子…それが先輩の名前。
先輩はさっきから資料を見ながら、「何で、コイツと…!」とブツブツ言っている。
しかし、課長は何を考えているのやら…‥。二人で任務を遂行しろって、車内は気まずいし…‥まさかっ❗これが罰かっ‼
なんて考えていると隣から先輩が聞いてくる。
「ねぇ、宗馬。私達はどいつを狩るの…」
資料を俺に向け、指を刺せと言わんばかり近づける。
少し言いにくそうに俺は言った。
「あ~…その‥、全部だってさ…。」
「えぇ~⁉本当にぃ~‼」
予想通りの反応が返ってくる。
まあ、分からなくもない。資料には違法魔族が十人程が載っていた、しかも、その殆どは爵位持ちの貴族。そいつらを強制退去するのは骨が折れそうだ。
『はぁ~…』
二人して溜め息を吐いた。
「しかも、そいつらは確認が出来た奴等で、他に確認されてない下級魔族がいるみたいですよ。」
俺がそう言うと、先輩は窓の外を眺めながら「久々の仕事がこんなめんどいのだとは…‥。」と言い、遠い目をしてる。
俺は、ははっ…と苦笑した。
車は高速を下り、北区に入る。
神都北区『永津』は北側からの人が必ず通る場所である。
俺達は少し車を走らせながら、違法魔導探査を行なう。
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