第一章『魔を狩る者』

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違法魔導探査とは不法入界者の発見方法の一つで、最も確実な方法である。 不法入界者は入ってきた順に、シリアルナンバーが付けられ、近くに入界者が居るとその情報が探査機に送られる。 小一時間、北区を走り回った俺達は公園で休憩していた。 「まったく反応が無いね…。」 「おかしいな~…確かに居るはずなんだけど…。」 「大体、北区に来るって考えが間違ってるんじゃないの?」 二人は缶ジュースを飲みながら、探査機を見つめていた。 「そんな事は無いと思いますけど…。」 「そうかなぁ…。」 まったく覇気の無い会話が続く。 しかし、本当に見つからない、まるで壊れたかのように沈黙している探査機。 何処かに抜け穴でも在るんだろうか…‥なんて考えていると、『ガンッ』という音と共に先輩が探査機に蹴りを入れていた。 「ちょっと⁉何やってんですか⁉」 俺はすかさず制止する。 「うっさい‼邪魔すんなっ‼このポンコツに気合い入れるんじゃあ~~‼」 「最新式なんですよ⁉これ❗」 俺の制止を振り払い、探査機に二発目を入れようとした、その時❗ 『ビィービィービィー‼』 沈黙を守ってきた探査機が鳴った。 先輩の蹴りは数センチとゆう所で止まり、俺はホッとした。 じゃなくて…‼ 『鳴った~~⁉』 二人の叫びが公園に響き渡った。
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