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第二章『異端なる者』
神都・南区『逸煉』…地下廃工場。
鉄の匂いが充満した、暗く冷たい通路を抜け、大きな部屋に入った。
「只今、戻りました。」
「おかえり、クレイブン、ハイドール…。」
部屋の奥に居る男がそう言った。
部屋には十人居て、皆、自分が好む場所にいる。
クククッ…‥笑い声が聞こえる。
「何がおかしい…‥ラインハーツ。」
クレイブンは部屋の隅にいた、黒マントの男を見た。
ラインハーツと呼ばれた男は少し笑ってハイドールを見た。
「もしかしてハイドール…‥お前…敗けたのか?」
その言葉にハイドールは顔を背ける。
「マジかよ⁉マジで敗けたのか⁉アハハハハっ❗傑作だな‼」
部屋に笑い声が響き渡る。他の仲間も軽く笑っている。
「ダマレェ‼貴様ラ‼ソレ以上笑ウト…‥」
「本当に敗けたの…‥ハイドール?」
彼の言葉を遮り、中心の椅子に座っていた女が聞いてくる。
「…‥敗けちゃイネェ…‥アノママやってれば勝てた‼」
「途中で止められたから?」
「そうだ❗クレイブンが止めナキャ勝てたッ‼」
場は静まり返る。
その言葉にふ~ん…と言った感じで振り返り、部屋の奥に居る男に向かって言い放つ。
「ディルケイス、これは由々しき事態だ‼どう対処する…‥。」
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