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第一章『魔を狩る者』
真夜中の旧東京・倉庫街…。
男が一人立っていた。
その男の手には大口径のハンドガンが、右手にしっかりと握られている。
その時、轟音と共に少し前にある倉庫の壁が吹き飛んだ。
何かが現われ、場に凄い煙がたちこめる。
「黒いコートに…十字の紋章…‥貴様、対魔か…?」
煙の奥に居る何かが男にそう言った。
「その言い方はあまり、好きじゃねぇんだ…。」
男は煙草を取り出し火をつけながら答えた。
「ほぅ…、それは悪かったな。」
煙の奥から低い声で唸るように言った。
「まあ、良いさ。それより本題に入ろう…‥」
男は少し笑ってから、煙の中を見つめる。
「ギルホーン❗。お前を不法入界の罪により、強制退去する。」
ギルホーン…そう呼ばれた者は、男の言葉に笑った。
「ハハハハハッ❗これは傑作だ‼貴様が我を倒す…‥?不可能だ‼」
そう言うとギルホーンは煙の中から出る。
2メートルの巨体に大きな牙と爪、その姿はまさに獣…。そして頭には鋭利な角がある。
「我に挑む覚悟は認めてやる‼苦しませずに逝かせてやろう‼」
ギルホーンは男に襲い掛かった。
男は二歩下がり、笑って「その言葉…、そっくりそのまま返すぜ…‥❗」と言い放ち、銃を向け引き金を引いた。
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