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「なっ・・・」
怪盗の手にはガラスケースに入っていたはずの宝石があった。
「ジリリリリリッ!」と警報が鳴り響き、非常灯が部屋を赤く照らし出す。
「逃がすな~」
警官たちが怪盗を捕まえんと一斉に動き出す。
「そう簡単に捕まりませんよ」
そう言って怪盗はマントを翻す。
「なんだっ!」
警官たちの視界を白いものが遮る。
白いものはパサパサと翼を羽ばたかせるたくさんのハトだった。
「くそっ前が見えんぞ!」
誰かが窓を開けてくれたのかハトの数が減ってきた気がする。
「あ、あれ?」
ハトたちが去った後には怪盗はすでにいなかった。そして、ガラスケースに1枚の紙が貼られていた。
警部は紙を見て・・・
「チクショョョョョョ!」
叫び声が美術館に響く。
警部は警官達と怪盗を追うため外に駆けていった。その警官達の中に警官に変装した怪盗が混ざっていることに気がつかず。
貼られていた紙には
~『七色の涙』たしかに頂戴しました。怪盗 宵月~
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