31人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふふっ、また一段と強くなったようだね、ハルナ」
父親は微笑みながらめり込んだ壁から離れ、玉座に座り、自分の傷を救急箱の道具で治療をする。
「私としては、龍王としての紫・藤蛇の振る舞い接触を望むのだが」
ハルナは不機嫌そうに腕を組み、藤蛇を見る。
「私は親としての紫・藤蛇の振る舞いが好きなのだがね」
藤蛇は救急箱をしまい、そう言った。
この親父はいつもいつも、私を見るなり、豹変してぇ……。
と、ハルナは怒りの思いを抑えながら、
「それで、今回は何の用なのだ?」
ハルナは腕を組んだまま、藤蛇を見る。
「ハルナには、依頼があるのだよ」
藤蛇は玉座を立ち、ハルナを優しく見つめる。
「依頼?」
ハルナは首を傾げて聞く。
最初のコメントを投稿しよう!