ひとつ

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「なんだよ。言えよ」 「や、ほ、本当に何でもないですから!」 「……言え。社長命令」 「……、ちょっと、笑わないでくださいね。あの、もしかして、今日残業させたのって、料理作るためだったんですか?」 「……そ、んなわけないだろ」 「え、で、でも……普通ならあんな大きな仕事の締切、湊さんが忘れるわけないじゃないですか!」 「え?あぁ、あれ……嘘」 「は、はぁ……!?」 ♪  酷い。あまりにもひどすぎる。俺が一生懸命、珈琲を飲みながらやった残業の締切が一週間後だったなんて。  でも、湊さんの慌てたようないいわけを聞いたら、そんな疲れが少しだけ軽くなった。
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