ひとつ

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「お、俺が、ですか?」 「気づいてないの?ま、気づいてたらこんな、無防備じゃないかぁ」 「き、気づくもなにも……」  何を馬鹿なことを言っているのだろう思いますね。  机の上のグラスを手に取り、からからと氷の音をさせた後にそれを半分くらい飲み干した瀬戸さん。 「有理、俺と一緒に寝るか?一人じゃ、寂しいだろ?」 「何を……」  馬鹿なことを。嫌に決まってるじゃないですが。そう言おうとした俺の言葉をさえぎる様に、瀬戸さんが抱きついてきた。  『ぎゅっ』という効果音がとてもよく似合う感じに、俺の腰に腕を回す。
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