ひとつ

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 俺の言葉を無視しながら肩に顎を乗っけるようにして耳元に息を吹きかけられる。 「ぅあっ!せ、瀬戸さん、ちょっと、い、いきなりなんですか?」 「うるさい。名前で呼べってんだろー」 「なんども言っているじゃないですか。お世話になっている上に貴方は社長なんです。そんな風に親しく呼べません」 「そっか。じゃあ親しくなればいいんだ」 「は?」  瀬戸さんはいきなり俺のシャツをめくると、腹部あたりを撫でまわしてきた。  冷たい手が腹を引っ掻くように通り過ぎるたびに必要以上に体が熱くなっていく気がする。
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