ひとつ

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「せ、瀬戸さんっ……」 「名前で呼べってんだろ?ほら、言えよ。な?」  無駄にかっこいい声を低めて、俺の耳元をくすぐるように囁く。 「ぅぁ……み、湊、さん、こ、こんな、何するつもりですか。や、やめましょう。ね?別にこんな風に親しくならなくてもきちんと名前で呼びますからっ」 「それだけじゃー……嫌だ」 「こ、これ以上俺に何を求めるんですか!」 「カラダの関係、とか」 「馬鹿ですか!」  俺は瀬戸さんを思いっきり突き飛ばしていた。  社長だという事も忘れて。それ以前に、こんなことをされるのは初めてだった。  突き飛ばしてからまずい事をした事に気がついた。
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