第1章 崩れ去る日常

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俺は彼女の手を放しデスと反対の方向に逃げようとした。 だが、そこには立ち塞がる白い骨の甲殻のデスがいた。 高速で動き周りこんだらしい。 「……ああぁ………」 絶句して言葉が出ずに金魚のように口をパクパクする。 デスは槍状の腕を振り上げた。 俺は死を悟り、頭の中で走馬灯が駆け巡る。 家族との思い出、学校での友達との会話、たくさんの人と笑い合った日々が思い出され涙が出た。 死にたくない そう思った。 やりたいことややり残したこと、伝えなければならないこと、たくさんあるのに俺の人生はここで終わる。 ついさっきまで俺の未来は水平線の向こうまで続いていたのに……。 そしてとうとうデスの腕は降り下ろされた。 俺は目を瞑った。
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