第1章 崩れ去る日常

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通学路を歩いていると後ろから明るい声が聞こえた。 「おすっ!翔!」 「おはよー!翔ー!」 そこには2人の生徒がいた。 俺の幼なじみの銀尾 鋼夜(しろお こうや)と蒼海 楓(おうみ かえで) だ。 「おはよ、鋼夜に楓」 幼い頃から3人は仲がよく登下校はいつも一緒でよく遊んでいた。 「なんだー?テンション低いぞ!」 朝からテンションの高い鋼夜。 「何かあったの?」 心配してくれる楓。 「いや、なんでもないよ!今日の数学のテストのこと考えてたんだよ!」 俺は心配させないように嘘をついた。 「やべー!すっかり忘れてたよ。またひでー、点数取っちまうよ!いいよな、翔は頭がよくて」 「私、数学苦手だからどうしよう。まぁ、鋼夜よりはましだけどね♪」 「そうだな!あれは人間の取れる点数じゃないしな♪」 「2人ともひでーぞ!!」 アハハハと笑いながら通学路を歩く3人。 毎日、こんな日常が続けばと願いながら……。
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