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目の前には火がある。
なぜか火を見ているとなんだか体がさっきより熱くなってきた。
ユラユラと揺らめく炎に魅せられたように目が離せない。
「……綺麗だ……」
そんな言葉がいつの間にか溢れる。
誘うように揺れ光る火に吸い込まれそうになる。
ドクンッ ドクンッ
鼓動が速くなり止められない。
紅く輝きを放つ焔がとてもいとおしい。
この炎がもっと赤く大きくなればいい。
全てを深紅に包み込んでしまえばいい。
俺は無意識に輝く火に手を伸ばした。
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