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ハート型のチョコを選んだら面白いのになと思い、あえてチョコの方が取りやすいように持った。
そしたら、涼は思惑通りチョコを選んだ。
「ありがとうございます」
と、私がそんなことを考えてるとは露知らずお礼をいう涼。
「どーいたしまして」
涼と別れたあと、友達とその話題で盛り上がった。
「教室で袋を開けたら実はハート型のチョコだったとか、ビックリするだろうね」
「明らかに狙ってやったでしょ」
「まぁね。今頃教室でからかわれてるかも」
「うわー、可哀想」
けど、期待していたのとは全然違った結末が待っていた。
またいつものように美合駅で涼と会った時、
「ハート型のチョコでビックリした?」
と、笑いながら言ったら、
「いえ、そういうの全然気にせず食べてました」
「えっ? からかわれたりもしなかったの?」
「ハイ、誰も見てなかったと思いますよ?」
『それ誰からもらったんだよ?』と誰かにからかわれることを期待していたのになぁ。
でもからかわれて、『もし、私のことを涼が話したとしても一体何がどうなるんだ? 勘違いされるだけじゃん』とそんなことを考えてた自分に疑問を持った。
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