0人が本棚に入れています
本棚に追加
「こんにちは」
「あっ、こんにちは」
彼は私を覚えてくれてたようで、小さく微笑みながら応えてくれた。
「またみーちゃんを見にきたけど、今日はいないんだね」
「ハイ、今日は見掛けませんね」
本当は君がいるかもしれないから来たんだけどね。
彼がどれくらいの頻度で美合駅に来るのか聞いて見ることにした。
彼がしょっちゅう来るというならまたすぐ会えるから。
「よくゲーセンに来るの?」
「週に2・3回くらいかな?」
「結構よく来てるんだね。ウチは普段藤川なんだ。でも、これからはみーちゃん会いたさに美合にするかも」
私が冗談混じりにそう言うと涼は、
「そうなんですか」
と言って笑った。
その笑顔はとても優しくて温かくて、だからかな?
知り合ったばかりの涼に自分の過去について聞いて欲しいと思ったのは。
「うん、家にも帰りたくないしね」
「そうなんですか?」
涼は不思議そうな顔で私を見た。
私はポツリポツリと自分の過去について語り始めた。
_
最初のコメントを投稿しよう!